二番目から見る一番目
日本一の山を、二番目の山のてっぺんから見てきました。
登山まったくの素人ながら、富士山に登った去年の夏。
山頂から見るご来光があまりに美しかったのですっかり調子に乗り、
「よし、日本一の富士の次は、二番目の北岳だ!」と、
己の体力や登山技術を顧みず、行ってきました南アルプスの盟主・北岳、3,193メートル。
朝一番の特急あずさに乗り、路線バスに乗ること2時間・・・
お昼少し前にやっと登山開始です。
【行程覚え書き】
6:30 新宿発

8:06 甲府着
9:05 甲府発

10:58 広河原着・昼食
11:45 登山開始
かなり暑いですが、よい天気で登山日和~♪
しかし、入山届を出す際に、
「登山中に行方不明」になった人々の写真が多数貼られていて、
あれ、こんな素人が登っていい山ではなかったのでは? と今さらながらちょいビビる。

それでも、登り始めは登山道も整備されいて、景色も美しく・・・
清流の冷たい水でリフレッシュしつつ・・・
14時少し過ぎに、今夜の宿泊地でもある「白根御池小屋」に到着。
この山小屋、山小屋と思えないくらいきれいで快適。
水が豊富でトイレまで水洗!
そして、山小屋なのに生ビールにソフトクリームまであるのです!!

そんなわけで、クールダウンに御池ソフト・ピーチ味(500円)で乾杯。
チェックインして荷物を整理してから、改めてビールで乾杯。

山小屋で飲むビールは、爽快で美味♪
でも、標高のせいか肉体疲労のせいか、平地の倍くらい酔いが回るのが早いので注意が必要です。

山小屋の夜は早く、17時には夕飯。
山小屋のご飯ってカレーがお決まりかと思ったら、
意外にちゃんとしたご飯。メインの鶏肉ウマ~!しかもデザートに甘味つき。
1泊2食つきで8,300円だから、かなりお得ですね。
20時には消灯ですが・・・

外に忍び出れば、この満天の星空!
まさにミルキーウェイな天の川。

星降る音しか聞こえない山の夜。
流れ星が何度も空を行き交うけれど、あまりの美しさに見とれて願い事も忘れそう。
そして、3時起床、4時登頂開始。
下界の酷暑が嘘のように肌寒いけれど、ここからは急登。
あっという間に息が上がり汗が出る。
そして、朝日が昇る。

朝日が染め上げる山の色はまた美しく・・・
きつい登りも、景色を見ながら行けばまた楽し。
何より富士山と違う楽しみは、高山植物。
山肌に広がる、高山植物のお花畑。
鳥の声、虫の羽音・・・
火山岩が続く「死の山」富士に比べると、この山は生命力に満ちています。
しかし、景色を楽しみつつも山道は険しくなり、森林限界を超えると岩肌をよじ登るような道が続きます。
ぜえぜえはあはあ。
そろそろ限界~というころ、午前6時45分に標高3,000メートルの「肩の小屋」に到着。
山小屋でお弁当にしてもらった朝ご飯は、きんぴらごぼう、ウインナー、サバみりん干し、つけもの。
目の前に近づいてきた山頂を見ながら食せば、これもまた美味し。
そして、ほどなく山頂~!

8時ジャスト、登ること4時間(休憩こみ)で無事到着。
富士山が目線と同じ高さに見えます!
日本一の山を、二番目の山から見る。

バンザーイ。
ちなみに、この写真にも写っている左手首の腕時計は、この後下山時に転倒し、粉々に壊れました・・・

山頂はものすごくよく晴れて、南アルプスの山並みはもちろん、北や中央アルプスまで見渡せました。
写真では伝えきれないのが残念。


頑張って登ってよかった~
ちなみに、この日最後の写真はコレ。
肩の小屋に降りたヘリコプター。
体調不良の登山者が出て搬送されたようです。
そして、山の恐ろしさ大変さを身をもって知るのは、実は下り。
下山は、上りの300倍くらい大変でした。
足場の悪い岩道、ぬかるんで滑る土、足首がぐらつく木の根道・・・
膝ががくがく、ふくらはぎはパンパン。
浮き石を踏んで転倒、尻もちを数え切れないほどつきつつ、
最後は暑さでほとんど朦朧としながら下山。
行きに泊まった「白根御池小屋」にも、負傷者を搬送するヘリが来てました・・・
腕時計は粉砕したけど、とりあえずカラダは無事でよかった。

二日目の行程は、登って下りてほぼ10時間。
14時に広小路発のバスにギリギリ乗ることができました。
甲府でかの太宰治が通ったという銭湯「喜久乃湯」で汗を流し、
信玄餅のお土産各種を買い求めたのち、同行者みんなとビールで乾杯。
(疲労の極地につき山頂からあとは写真が一枚もありません・・・)
とても貴重な経験をいたしました。
しかし、翌日の筋肉痛がハンパなく、これまで経験したことのない激痛・・・
日ごろジムで鍛えているつもりだったのに、己の限界を極めました



距離や歩数はともかく、375階分ってすごくないですか?
でも、こうして改めて思い出してみるとまた行きたくなるから不思議ですね。
さあ、次はどこに行こう?

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