この美しくも残酷な世界に

自分の頭上に虹がかかる。
20190817-18_御嶽山_190822_0061_0 (2).jpg遠くの山が写っているのではなく、雲に映った私の影。
写真にはきれいに写りませんでしたが、実際には半円の虹が私の影を縁取るようにかかっていました。

これは、ブロッケン現象。
背後から差す日光が、雲や霧に影と虹を生じさせるのだそうです。

さて、御嶽山登山の続き。
DSC09407.JPG夕飯は、山小屋とは思えないオサレメニュー。
鶏肉のトマト煮に、デザートつき。ご飯はお代わり自由です。

夕飯を食べたらすぐに外へ。
DSC09415.JPG
午後6時過ぎ。サンセットの美しい時間。
DSC09439.JPGIMG_9395.JPGIMG_9411.JPGたくさんの人がいるのに、なぜかみんな無言になる。
圧倒的な自然の美しさ。

そして、日が沈むと美しい星空。
DSC09480.JPG三脚もレリーズも使わない、コンデジの手持ち撮影でもこれだけ写るほどの星空。
実際にはこの倍くらいの星が見えました。

そして、月の出。
DSC09487.JPGまるで日の出のように明るい月。
月明りだけで足元に自分の影ができる。
こんなに明るい月は初めて見ました。

月があんまり明るくて、天の川は見えなくなりました・・・
DSC09481.JPGそれでも、北斗七星がくっきり。

そして、朝焼け。
DSC09494.JPG
日の出は、三ノ池を見下ろす絶景ポイントを山小屋のスタッフに教わって、朝3時から移動。
DSC09502.JPG雲が多い朝でしたが、雲海がむしろ幻想的ですらある。
DSC09511.JPGIMG_9484.JPGDSC09532.JPGIMG_9489.JPG刻一刻と変わる空の色。
みるみるうちに、夜が明けていく。

振り返れば、朝陽を浴びて静かにたたずむ御嶽山。
IMG_9456.JPGその穏やかな表情は、5年前突然に噴火し、63名もの命をなぎ倒したとは思えぬ包容力。

なんて美しい景色。
これだけは、山に登らなくては見られません。
写真より現実の方が何十倍も美しいですよ。

山小屋に帰って朝ご飯。
DSC09541.JPGシンプルですが、お味噌汁は「すんき汁」という地元の伝統料理。
カブの葉を無塩発酵させた漬物「すんき」のおつゆで、独特の風味が病みつきになりそう。
朝はとりわけ寒くて、あったかいお味噌汁が染み渡ります。お代わりまでいただいちゃった。

ご飯を食べたら出かけよう。山は朝早い方が雲がなく美しい。
DSC09308.JPG昨日ガスってた二ノ池が晴れて美しく見えました。
DSC09311.JPG火山灰で半分埋まり、色も幾分変わったとのこと。
DSC09317.JPGそして、左側には噴火で新たな「2.5ノ池」が埋まれたそうです。

さあ、いよいよ頂上へ向かいます
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噴石がごろごろする道を登る。
DSC09388.JPG火山灰と火山岩。
DSC09368.JPG山頂付近は、今もまだ噴火の爪痕が色濃く残る。
DSC09381.JPG
犠牲者63名の魂に、山の安全を祈る。
DSC09375.JPG壊れた灯篭に、解体途中の山小屋。
DSC09376.JPGそして、万が一の時のシェルター。
これでどれだけの効果があるのか?自然の力は偉大で、人間の存在は小さい。
それでも生きる努力をするのが人の力。

剣ケ峰頂上。
DSC09363.JPG開けた場所には御嶽神社奥社があります。
DSC09570.JPG今もたくさんの人が遠方から訪れる。
DSC09365.JPG
石碑などはまだ倒れたものも多い。

それでもなお、景色は美しい。
IMG_9505.JPG左からすっかり干上がっている一ノ池、二ノ池、昨日泊まった山小屋をはさんで、2・5ノ池。
IMG_9512.JPGあっという間に雲が沸いてきましたが、雲の上はやはり空が蒼く美しい。まさに紺碧。

これが今や干上がってしまった一の池。
DSC09552.JPG火山灰が白く美しいですが・・・
DSC09572.JPG火口方面を見ると、写真には写っていませんが、時折白い水蒸気が上がり、硫黄臭がたちこめる。

この山はまだ生きていて、人間の邪心を見つけたら即飲み込もうと、我々をうかがっているのかもしれません。

あちこちの立て看板にも、
「山頂では携帯電話の電源を切らず、できるだけ速やかに下山しましょう」
と書かれています。
まだあまり長居してはいけないんですね。

とりあえず一度山小屋に戻りました。

わざわざ戻ったお目当ては、これ。
IMG_9515.JPG京都の名店直伝という、タンタンメン。
標高の高い山でも美味しくゆでられるよう、麺は特注なんだって。
何気なく添えられているスイカだって、スタッフさんが担いで上がってきたもの。
有り難く美味しくいただきました。

楽しい時間をありがとうございました。
山小屋のみなさんにも御嶽山の自然にも感謝して、下山します。
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・・・しかし、山って上りはあんなにキツいのに、下りってあっという間よね。

11時に山小屋を出たら、12時45分には登山道起点の行場山荘に到着しました。
IMG_9543.JPG名物は「ちからもち」、限定販売が今日で最後という「黒蜜きなこ」をいただきました。
IMG_9542.JPG本来はこれから山に登る人に力を与えるお餅なのでしょうが、
もっちりなめらかな食感が大変おいしゅうございました。

そんなわけで、大自然の美しさと畏敬の念に触れた今年の登山は無事終了。
IMG_9458.JPG自然の偉大さに触れると、人の世の苦しみも悲しみもちっぽけに見える。
今こうして生きているこの世界の美しさと残酷さを、まるごと感じながらただ謙虚に生きていたい。

小さな小さな存在の私ですが、また明日から頑張って生きていきます。


長々お読みいただいたみなさま、ありがとうございました。

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