この美しくも残酷な世界に
自分の頭上に虹がかかる。
遠くの山が写っているのではなく、雲に映った私の影。
写真にはきれいに写りませんでしたが、実際には半円の虹が私の影を縁取るようにかかっていました。
これは、ブロッケン現象。
背後から差す日光が、雲や霧に影と虹を生じさせるのだそうです。
さて、御嶽山登山の続き。
夕飯は、山小屋とは思えないオサレメニュー。
鶏肉のトマト煮に、デザートつき。ご飯はお代わり自由です。
夕飯を食べたらすぐに外へ。

午後6時過ぎ。サンセットの美しい時間。


たくさんの人がいるのに、なぜかみんな無言になる。
圧倒的な自然の美しさ。
そして、日が沈むと美しい星空。
三脚もレリーズも使わない、コンデジの手持ち撮影でもこれだけ写るほどの星空。
実際にはこの倍くらいの星が見えました。
そして、月の出。
まるで日の出のように明るい月。
月明りだけで足元に自分の影ができる。
こんなに明るい月は初めて見ました。
月があんまり明るくて、天の川は見えなくなりました・・・
それでも、北斗七星がくっきり。
そして、朝焼け。

日の出は、三ノ池を見下ろす絶景ポイントを山小屋のスタッフに教わって、朝3時から移動。
雲が多い朝でしたが、雲海がむしろ幻想的ですらある。



刻一刻と変わる空の色。
みるみるうちに、夜が明けていく。
振り返れば、朝陽を浴びて静かにたたずむ御嶽山。
その穏やかな表情は、5年前突然に噴火し、63名もの命をなぎ倒したとは思えぬ包容力。
なんて美しい景色。
これだけは、山に登らなくては見られません。
写真より現実の方が何十倍も美しいですよ。
山小屋に帰って朝ご飯。
シンプルですが、お味噌汁は「すんき汁」という地元の伝統料理。
カブの葉を無塩発酵させた漬物「すんき」のおつゆで、独特の風味が病みつきになりそう。
朝はとりわけ寒くて、あったかいお味噌汁が染み渡ります。お代わりまでいただいちゃった。
ご飯を食べたら出かけよう。山は朝早い方が雲がなく美しい。
昨日ガスってた二ノ池が晴れて美しく見えました。
火山灰で半分埋まり、色も幾分変わったとのこと。
そして、左側には噴火で新たな「2.5ノ池」が埋まれたそうです。
さあ、いよいよ頂上へ向かいます

噴石がごろごろする道を登る。
火山灰と火山岩。
山頂付近は、今もまだ噴火の爪痕が色濃く残る。

犠牲者63名の魂に、山の安全を祈る。
壊れた灯篭に、解体途中の山小屋。
そして、万が一の時のシェルター。
これでどれだけの効果があるのか?自然の力は偉大で、人間の存在は小さい。
それでも生きる努力をするのが人の力。
剣ケ峰頂上。
開けた場所には御嶽神社奥社があります。
今もたくさんの人が遠方から訪れる。

石碑などはまだ倒れたものも多い。
それでもなお、景色は美しい。
左からすっかり干上がっている一ノ池、二ノ池、昨日泊まった山小屋をはさんで、2・5ノ池。
あっという間に雲が沸いてきましたが、雲の上はやはり空が蒼く美しい。まさに紺碧。
これが今や干上がってしまった一の池。
火山灰が白く美しいですが・・・
火口方面を見ると、写真には写っていませんが、時折白い水蒸気が上がり、硫黄臭がたちこめる。
この山はまだ生きていて、人間の邪心を見つけたら即飲み込もうと、我々をうかがっているのかもしれません。
あちこちの立て看板にも、
「山頂では携帯電話の電源を切らず、できるだけ速やかに下山しましょう」
と書かれています。
まだあまり長居してはいけないんですね。
とりあえず一度山小屋に戻りました。
わざわざ戻ったお目当ては、これ。
京都の名店直伝という、タンタンメン。
標高の高い山でも美味しくゆでられるよう、麺は特注なんだって。
何気なく添えられているスイカだって、スタッフさんが担いで上がってきたもの。
有り難く美味しくいただきました。
楽しい時間をありがとうございました。
山小屋のみなさんにも御嶽山の自然にも感謝して、下山します。

・・・しかし、山って上りはあんなにキツいのに、下りってあっという間よね。
11時に山小屋を出たら、12時45分には登山道起点の行場山荘に到着しました。
名物は「ちからもち」、限定販売が今日で最後という「黒蜜きなこ」をいただきました。
本来はこれから山に登る人に力を与えるお餅なのでしょうが、
もっちりなめらかな食感が大変おいしゅうございました。
そんなわけで、大自然の美しさと畏敬の念に触れた今年の登山は無事終了。
自然の偉大さに触れると、人の世の苦しみも悲しみもちっぽけに見える。
今こうして生きているこの世界の美しさと残酷さを、まるごと感じながらただ謙虚に生きていたい。
小さな小さな存在の私ですが、また明日から頑張って生きていきます。
長々お読みいただいたみなさま、ありがとうございました。

写真にはきれいに写りませんでしたが、実際には半円の虹が私の影を縁取るようにかかっていました。
これは、ブロッケン現象。
背後から差す日光が、雲や霧に影と虹を生じさせるのだそうです。
さて、御嶽山登山の続き。

鶏肉のトマト煮に、デザートつき。ご飯はお代わり自由です。
夕飯を食べたらすぐに外へ。

午後6時過ぎ。サンセットの美しい時間。



圧倒的な自然の美しさ。
そして、日が沈むと美しい星空。

実際にはこの倍くらいの星が見えました。
そして、月の出。

月明りだけで足元に自分の影ができる。
こんなに明るい月は初めて見ました。
月があんまり明るくて、天の川は見えなくなりました・・・

そして、朝焼け。

日の出は、三ノ池を見下ろす絶景ポイントを山小屋のスタッフに教わって、朝3時から移動。





みるみるうちに、夜が明けていく。
振り返れば、朝陽を浴びて静かにたたずむ御嶽山。

なんて美しい景色。
これだけは、山に登らなくては見られません。
写真より現実の方が何十倍も美しいですよ。
山小屋に帰って朝ご飯。

カブの葉を無塩発酵させた漬物「すんき」のおつゆで、独特の風味が病みつきになりそう。
朝はとりわけ寒くて、あったかいお味噌汁が染み渡ります。お代わりまでいただいちゃった。
ご飯を食べたら出かけよう。山は朝早い方が雲がなく美しい。



さあ、いよいよ頂上へ向かいます

噴石がごろごろする道を登る。



犠牲者63名の魂に、山の安全を祈る。


これでどれだけの効果があるのか?自然の力は偉大で、人間の存在は小さい。
それでも生きる努力をするのが人の力。
剣ケ峰頂上。



石碑などはまだ倒れたものも多い。
それでもなお、景色は美しい。


これが今や干上がってしまった一の池。


この山はまだ生きていて、人間の邪心を見つけたら即飲み込もうと、我々をうかがっているのかもしれません。
あちこちの立て看板にも、
「山頂では携帯電話の電源を切らず、できるだけ速やかに下山しましょう」
と書かれています。
まだあまり長居してはいけないんですね。
とりあえず一度山小屋に戻りました。
わざわざ戻ったお目当ては、これ。

標高の高い山でも美味しくゆでられるよう、麺は特注なんだって。
何気なく添えられているスイカだって、スタッフさんが担いで上がってきたもの。
有り難く美味しくいただきました。
楽しい時間をありがとうございました。
山小屋のみなさんにも御嶽山の自然にも感謝して、下山します。

・・・しかし、山って上りはあんなにキツいのに、下りってあっという間よね。
11時に山小屋を出たら、12時45分には登山道起点の行場山荘に到着しました。


もっちりなめらかな食感が大変おいしゅうございました。
そんなわけで、大自然の美しさと畏敬の念に触れた今年の登山は無事終了。

今こうして生きているこの世界の美しさと残酷さを、まるごと感じながらただ謙虚に生きていたい。
小さな小さな存在の私ですが、また明日から頑張って生きていきます。
長々お読みいただいたみなさま、ありがとうございました。
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